【知ってほしい】緊急事態に備えて!ファームで起こった火事体験

ファームジョブ

まさか海外で火事に合うとは思っていませんでした。
何かあったとき、助けが必要な時のために下記の2つを必ず確認しておいてください。

オーストラリアのEmergency Callは「000」 です。 (警察、消防、救急すべて)


自分が滞在している先の住所をしっかり把握しておく

みんなに同じような経験をしてほしくないので、他人事だと思わず頭の片隅に入れていてほしいです。
実際に起こったファームでの火事体験をお話しします。

目に映った燃えさかる炎

ファームで働いているある日の出来事。
私はパッキング工場のすぐ隣にあるシェアハウスで日本人6名と住んでいました。
その日、外は雨が降っていていつものようにパッキング工場で働いていました。
時間は夕方頃だったので、私以外のピッキング組は仕事が終わり隣の家でくつろいでいました。

パッキングをしていると、「きゃーっ!」と数人の悲鳴のような声が聞こえました。
なんだか騒がしいと思い、野次馬のように声のするほうに行きました。

見ると5メートルほど積んであった壁一面にあるダンボールに火がついていて、もうすでに3分の1ほど燃え上っていました。風通しが良いためか、見る見る間に火が大きくなっていました。私は、「火事だ!どうしよう!」と周りを見渡しとりあえず逃げないといけないと思い、近くにいた日本人の子と手をつなぎ、工場の外へ行きました。(パッキングメンバーはほとんどが女子で、7割が韓国人で3割が台湾や香港人でした。日本人は私を含め2人しかいませんでした。)

外は雨が降っており、雨を遮る工場の屋根の下でみんな動けずにいました。炎は10メートル以内のすぐ隣の建物でどんどん大きくなっています。今すぐにここから離れないと危ないのは明確で「みんな逃げて!」と叫びたいのに、恐怖で驚くほど声が出ません。しかも周りの人はそれぞれの母国語で話しているので何を話しているかすらわかりませんでした。私はパニックに陥っていましたが、とりあえず燃えている工場の隣にある自分のシェアハウスに駆け込み、「かじ!かじ!かじ!」と叫びました。

消防車を呼ぶ

シェアハウスでは日本人が4人ほどご飯を食べていました。私の「かじ!」という必死な叫びを聞くなり一瞬疑う表情を見せましたが、周りの騒ぎ具合で状況を判断し「消防には電話したの?」と聞いてきました。もちろん呼んでいません。消防に電話するという考えすら出ないほどパニックでした。「え?どうしよう!消防車よばないと!」とみんなで話し合い消防車を呼ぶことにしましたが、オーストラリアで消防車を呼ぶ番号がわかりません。 みんなでパニックになりながらネットで検索し、000だということが判明。次の問題は誰が消防に電話をするかということでした。私はパニックに陥っており電話ができる状態ではありませんでした。(電話ができる英語力もありませんでした。)そこにいるほとんどの日本人も無理!ということになり、ひとりの勇気ある日本人の女の子がパニックになりながら声を震わせながら電話をしてくれました。火事の状況を英語で伝えるなんてめちゃくちゃ大変です。なによりファームの住所ですらみんな定かではありませんでした。

どうにかこうにか連絡をしてあとは消防車を待つだけでしたが、私達は家からできる限り早く逃げないと、爆発でもすればシェアハウスも一緒に吹っ飛んでしまう距離でした。部屋の外にはまだパッキングの女の子たちが集まってざわざわしていました。炎はすぐ隣の建物です。自分の力が何にも及ばず、どうしようか困り果てていた時、離れたシェアハウスの男の人たちが助けに来て「逃げろ、とりあえずこの建物から離れろ!」と何度も叫んでみんなに動くように指示をしてくれました。そのおかげでみんな集団になって建物から離れ、離れた場所にあるほかのシェアハウスに避難しました。目の前で燃えさかる工場を見ていた私は建物から離れてもパニックと不安のみでした。シェアハウスの中の荷物を取りに行く余裕がなく全部部屋おいていました。とにかく自分に余裕がなかったのです。

まさか、自分が火事現場に合うとは。しかも海外で。

昨日まで働いていた場所が、次の日にはこんなふうになるなんて誰も想像できませんでした。
私は火事の日の夜はご飯も食べれなかったし、寝ることもできませんでした。ファームは火事で工場を失い、パックやイチゴを失い。損失を取り戻すために火事の日の翌朝は5時30分から仕事をスタートしました。もちろん仕事にも集中できるはずもないし食欲も体力も無く、1週間ほど体調を崩しがりがりに痩せました。今になっても鮮明にその恐怖を思い出せます。周りのサポートと時間の経過によって少しずつ心の傷が癒えたような気がします。

この火事はとても大きかったため、新聞やニュースでも報道されました。
いつ自分の身に何が起きるかわかりません。自分は気を付けていても、巻き込まれてしまうことがあります。何度も言いますが、必ず、自分が滞在している先の住所や緊急連絡先などを確認しておいてください。自分の身に起こるまでは他人事にしか思えないのはよくわかります。私もそうでした。でも実際起こってからは本当に遅いんです。

みんなが無事だったことが何よりの救いです。私の貴重な経験を少しでも理解してもらえたらいいなと思います。
ワーホリは楽しいことが一番ですが、緊急事態に備えることも忘れずに!

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